
アルベニス 生涯と作品 について
本書は、スペイン音楽、なかでもアルベニス(1860-1909)を中心に演奏活動や執筆を続けている上原由記音による集大成の書。第1部は「生涯編」。アルベニス研究は、1990年代にその第一人者J.トーレスの本格的な調査により、公文書による客観的なデータが明らかになる。今回、著者はこの研究を基本とし、さらにアルベニスが旅行中に携え青少年期を描写した。「アルバム」も再確認しつつ、また彼の日記や往復書簡もふんだんに用いてその生涯の全貌を詳述。彼がパリとバルセロナの音楽界の橋渡しの担い手であったことや、中央ヨーロッパと近代スペインの音楽の関係などを詳述する。第2部の「作品編」では、アルベニスの作品全体をカバーする。なかでもピアノ作品については、日本で初めて全作品を紹介。後半期の重要な作品を中心に、民族的な作品の特徴とその表現方法も含めて、著者ならではの知見から解説を行う。監修は、著者の恩師である石田一志氏による。
上原由記音 紹介
J・フェヴリエ氏、A・デ・ラローチャ女史に師事。2025年3月『アルベニス 生涯と作品』(石田一志監修)を音楽之友社から刊行。今までに、スペイン政府文科省助成『粋と情熱スペイン・ピアノ作品への招待』(濱田滋郎監修)を刊行、同助成CD『アルベニス作品集1~4』をリリース、全て『レコード芸術』誌特選。共和国政府招聘でのキューバ及びヨーロッパでリサイタル、レッスン、講座、国営放送への出演を行う。パリエコールノルマル音楽院審査員奨励賞を得て演奏家ライセンス修了。《イベリア》全曲リサイタル開催。国立大学法人琉球大学名誉教授。 日本スペインピアノ音楽学会を設立、現在まで会長を務める。審査員としては、スペインのハエン賞国際ピアノコンクールに今までに3回ハエン自治州より招待を受けている。 その他、日本では青少年のためのスペインピアノコンクールやスペインギターコンクールの審査を務める。
日 時:6/1(日)開演15時(開場14時)
会 場:錦鱗館
京都府左京区吉田神楽町3-13